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フランスに商品を置けば売れる?日本企業がフランス市場で直面する2つの壁

1 日前
読了時間: 9分

Allo France JPはパリを拠点に、日本企業のフランス進出や、フランス市場でのビジネス展開を現地からサポートしています。


商品をフランスへ輸出する、現地の販売店を探す、展示会に出展する、商談をする——。

こうした「フランスに入るためのサポート」だけではなく、その先にある「フランスでどう認知され、どう売上につなげ、どう市場を広げていくか」まで、現地のパートナーとして伴走することが、弊社の仕事です。


最近、日本企業からご相談をいただく中で、特に多いと感じるのが、次の2つのケースです。


  • フランスのお店に商品を取り扱ってもらった。でも、思うように売れない。

  • フランスの展示会では非常に反応が良かった。でも、その後の受注につながらない。


どちらも、「フランスに商品を持ってくる」という最初の一歩は成功しています。それなのに、なぜ売上につながらないのでしょうか。


EU進出売り上げ拡大の課題
EU進出売り上げ拡大の課題

フランスのお店に置いてもらった。でも、商品は勝手には売れない


日本企業にとって、フランスのセレクトショップや専門店などで自社商品を取り扱ってもらえることは、大きな一歩です。


「パリのお店に置いてもらえた」

そう聞くと、次は自然に売れていくようなイメージを持ってしまうこともあるかもしれません。


でも、実際にはそう簡単ではありません。商品が棚に並んでいるだけでは、フランスのお客様はその商品を知りません。


「これは何の商品なのか?」

「どうやって使うのか?」

「なぜこの商品を選ぶのか?」

「他の商品と何が違うのか?」


それが伝わらなければ、商品はただ「そこにあるもの」になってしまいます。そして、もう一つ見落とされやすいのが、販売店のスタッフが必ずしもその商品の販売担当者ではないということです。もちろん商品を紹介してくれることもあります。しかし、販売店のスタッフが、その商品のブランドや背景まで理解し、「この商品をもっとお客様に知ってもらいたい」と考えてくれるとは限りません。


つまり、

「取り扱ってもらうこと」と「売ってもらうこと」は別なのです。


特に食品や日用品など、フランス市場ですでに似たカテゴリーの商品が存在する場合は、なおさらです。抹茶のように、フランスですでに一定の認知があるものなら、「抹茶だから試してみたい」という入口を作りやすいかもしれません。


しかし、日本ではよく知られている商品でも、フランスではまだ知られていない。その場合、「良い商品だから置けば売れる」ということにはなりません。


「パリに置けば売れる」わけではない

「パリのお店に置いてもらえたから、きっと売れるだろう」

これも、実際には大きな落とし穴です。


パリには世界中の商品が集まっています。日本の商品だから珍しい、というだけで継続的に購入してもらえるとは限りません。必要なのは、商品を置くことではなく、商品が認知され、興味を持たれ、購入されるまでの環境をつくること。


これは、日本から遠隔で行うだけでは難しい部分です。



そして、もう一つ考えておきたい「現地の競争相手」


日本企業がフランス市場に進出するとき、競争相手は必ずしも他の日本企業だけではありません。例えば日本食。日本を旅行したフランス人が、日本食や日本文化に興味を持って帰国する。


その需要を感じ取って、フランス人や、日本人ではない外国人の事業者が日本食のレストランやショップを始めることもあります。これは日本企業にとって、ある意味では非常に嬉しいことです。日本食や日本文化への関心が高まっているからこそ、新しいビジネスが生まれている。


一方で、日本企業がフランス市場へ進出するときには、すでに「日本らしさ」を現地の感覚でローカライズして提供している競合が存在することになります。


彼らはフランスの言葉や文化、消費者の感覚を理解しています。

つまり、日本企業がどれだけ良い商品を持っていても、「商品力だけでは追いつけない部分」が生まれているのです。


だからこそ、日本の商品が持っている本来の魅力を、フランス市場で伝わる形に変換することが重要になります。


パリの中国人経営の寿司屋
現地人またはアジア圏がオーナーの寿司レストラン

展示会では大好評。でも、受注につながらない


もう一つ、非常に多いのが展示会です。フランスの展示会に出展すると、

「たくさんの人がブースに来てくれた」

「商品を試してもらえた」

「とても良い商品だと言ってもらえた」

「バイヤーからも興味を持ってもらえた」

そんな反応をいただくことがあります。


展示会の現場は、とても熱気があります。その場でたくさんのポジティブな反応をもらうと、

「これはフランスでもいける!」

と手応えを感じるのは当然です。


ところが、展示会が終わって日本に帰国すると、思ったほど問い合わせが来ない。商談が進まない。受注につながらない。


そして、「あれだけ反応が良かったのに、なぜ?」となります。


国際展示会のビジネスシーン
国際展示会のビジネスシーン

展示会は「数日」で終わる。でも、ビジネスはそこで終わらない


私は展示会を、種を蒔く場所だと考えています。

数時間の展示会で、いきなり果実が実るわけではありません。重要なのは、その数時間の間に、どれだけ次につながる種を蒔けたか。


そして、その種に対して、展示会の前後でどれだけ水を与えられたかです。


【展示会前】

実は、展示会に来てもらう前からできることがあります。

どんな企業と会いたいのか。

誰が意思決定者なのか。

どの企業にアポイントを取るのか。

どんな提案を準備するのか。

展示会当日を「待つ」のではなく、展示会を商談の場として事前に設計することが重要です。


【展示会当日】

そして当日は、単に商品を説明して、

「Thank you. Please contact us.」

で終わってしまうのは非常にもったいない。

相手が何に興味を持ったのか。

どんな課題を抱えているのか。

何を必要としているのか。

次に何をすれば商談につながるのか。

そこまで会話を深める必要があります。

ここで大切なのは、単なる通訳ではありません。


ローカライズは「言葉」だけではない


フランス語が話せることと、フランスでビジネスコミュニケーションができることは、同じではありません。


ビジネスの場では、

  • どのタイミングで話しかけるか

  • どのくらいの距離感で話すか

  • どこまで質問するか

  • どんなテンポで会話するか

  • 相手の反応をどう読み取るか

  • どう次の約束につなげるか

といったことも重要になります。


これは単なる語学力ではなく、コミュニケーションのローカライズです。日本で成功しているやり方を、そのままフランスに持ってきても、うまくいかないことがあります。だからこそ、現地の感覚を理解しながら微調整することが必要です。


↑ 日本製品がグローバル向けにローカライズされた例


展示会が終わってからが、本当のスタート


展示会後も、現地でできることはたくさんあります。


例えば、

  • すぐにフォローアップする

  • サンプルを届ける

  • 追加の提案をする

  • 時差を気にせず交渉する

  • 展示会で出会った企業の取引先にもアプローチする

  • 別の販売先を開拓する

  • 相手に合わせて提案内容を調整する


日本からメールを送るだけではなく、現地にいるからこそできる動きがあります。展示会で出会った人から、さらに別の企業を紹介してもらう。その企業にこちらから商品を提案する。一つの出会いを、次の出会いにつなげていく。こうした横のつながりも、現地で動いているからこそ生まれやすいものです。


展示会への出展には、出展料だけではなく、渡航費、人件費、宿泊費、準備費用など、決して小さくない投資が必要です。だからこそ、「展示会に出展した」という事実だけで終わらせず、その投資を次のビジネスにつなげることが大切だと考えています。


私が現地でできること


私が目指しているのは、単純な営業代行でも、単なる通訳でもありません。もちろん、必要に応じて営業活動も行います。


しかし、その前に、

「この商品をフランス市場でどう見せるのか」

「どこで認知を作るのか」

「誰に届けるのか」

「どうすれば次の取引につながるのか」

を一緒に考える。


そして、必要であれば現地で実際に動く。それが私の考える「現地パートナー」の役割です。日本企業の商品には、日本市場で培われた技術や品質、ストーリー、独自性など、フランスでも十分に評価される可能性を持ったものがたくさんあります。


ただ、良い商品であることと、フランスで売れることは同じではありません。フランス市場にはフランス市場のルールがあり、消費者の感覚があり、コミュニケーションがあります。

そこに合わせて商品そのものを変えるのではなく、「商品の魅力が、現地の人にきちんと伝わる状態をつくる」ことが必要なのだと思います。


Allo France JP パリの展示会の翻訳対応の場面
Allo France JP パリの展示会の翻訳対応の場面

「フランスに進出する」から、「フランスで市場をつくる」へ


フランスに商品を輸出する。現地の店舗に取り扱ってもらう。展示会に出展する。それは、フランス市場への入口です。でも、本当のスタートはその先にあります。


認知される。興味を持ってもらう。購入してもらう。取引につなげる。販売先を増やす。そして、市場を広げていく。そこまで考えて初めて、「フランス進出」がビジネスとして成立していくのではないでしょうか。


また、一社だけで市場を作ろうとする必要もありません。例えば日本の商品を複数企業でまとめ、百貨店や商業施設など、大きな販売機会につなげる。一社では難しい規模のプロモーションも、複数企業が連携することで可能になる場合があります。


一つの商品をフランスに持ってくるだけではなく、日本の商品そのものがフランスで選ばれる環境をつくる。それも、これから私が現地で取り組んでいきたいことの一つです。


フランスで商品を展開しているものの、思うように売上につながっていない。展示会に出展しているけれど、その後の商談が続かない。フランス市場でもっと販路を広げたいけれど、日本からの対応だけでは限界を感じている。


そんな企業にとって、現地にいる人間だからこそできるサポートがあります。

フランスで、もう一歩先へ。

そのための現地パートナーとして、ご相談いただければと思います。



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⭐︎筆者について


Allofrancejp 代表 萩野アリサ

イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。



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