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パリで飲食店を開業する際に失敗しがちなポイント|フランスの商習慣から学ぶ成功の進め方

  • 3 日前
  • 読了時間: 5分

海外で飲食店の開業を検討されている方の中には、日本と同じ感覚で物件取得や事業譲渡を進めようとされるケースが多く見受けられます。私が暮らすフランスでは、日本とは大きく異なるプロセスで案件が進みます。


私自身、パリで商業物件(賃貸・売買・事業譲渡)に関わる中で、非常に優秀で準備も万全なお客様ほど、この違いによってスムーズに進まない場面を多く見てきました。これは能力の問題ではなく、フランス特有の進め方とのギャップによるものです。


本記事では、パリでの実務経験をもとに、つまずきやすいポイントとその対策を解説します。


フランスで会社設立をする時の注意点やポイントを現地の日系ビジネスコンサルAllo France Jpが解説
フランスで会社設立する時の注意点やポイント

フランスでよくある4つのつまずきポイント


1. 初期段階からすべてを確認しようとしてしまう


日本では契約前にリスクを徹底的に確認するのが一般的ですが、フランスでは「段階的に確認していく」ことが前提です。そのため、最初から細かく確認しすぎると、交渉自体が進まなくなることがあります。


2. 物件見学の段階で深い技術検討をしてしまう


見学段階で内装・設備・建築などの詳細検討を進めてしまうケースもありますが、フランスでは詳細な調査や見積もりはオファー後に行うのが一般的です。


ただしここで重要なポイントがあります。


フランスでは物件見学は通常1〜2回で終了するため、細部まで確認したい場合は事前準備が必須です。


例えば:


・建築家

・弁護士

・会計士


などを見学前から手配しておくことで、短い見学機会でも質の高い判断が可能になります。


最初からコンサルタントに相談し、専門家の選定・アレンジをしておくことで、結果的にスムーズに進みます。


3. 仲介業者を通さず直接交渉しようとする


「直接話した方が早い」と思われがちですが、フランスでは仲介業者が重要な調整役です。

直接連絡を取ることで・情報の齟齬・信頼関係の悪化・交渉の停滞につながるケースもあるため注意が必要です。


4. 意思決定者と実務担当の役割が曖昧


海外案件では特に、

・誰が最終判断するのか

・誰が実務を進めるのか

が明確でないとプロジェクトが止まります。


👉 意思決定のスピードが成功を左右します。


実際にあったケース(実務エピソード)


実際に過去にご相談いただいたケースで、日本と同じ感覚で「すべてを確認してから判断したい」と考え、見学の段階で詳細な調査や見積もりを進めようとされた方がいらっしゃいました。


ただフランスでは、見学機会が限られていることや、プロセス上、オファー後に詳細確認を行うのが一般的なため、良い条件の物件でもタイミングを逃してしまう可能性がある状況でした。


その後、進め方を整理し、専門家の手配や確認のタイミングを調整することで、スムーズに次のステップへ進めることができました。


フランス(パリ)における一般的な進行フロー


フランスの事業譲渡(fonds de commerce)は、以下の流れで進みます。


  1. 物件見学(1〜2回)

  2. オファー提出

  3. 条件交渉

  4. 詳細調査・専門家の介入

  5. 契約(Promesse → Acte de cession)


👉 ポイントはオファー後に詳細を詰める構造にあることです。


フランスでは専門家の役割が明確に分かれている


日本では、不動産会社が物件紹介から契約手続きまで一貫して対応するケースも多く見られますが、フランスではそれぞれの役割が明確に分かれており、法律上も専門分野ごとに区分されています。

具体的には、

・不動産会社(エージェント):物件紹介・交渉の調整・弁護士(またはNotaire):契約書の確認・法的手続き・会計士:財務状況の確認や事業分析

といった形で、それぞれが独立した専門家として関与します。


弁護士(またはNotaire)が関与するタイミングは?

特に弁護士やNotaireは、

👉 オファー後〜契約締結(Promesse / Acte)にかけて関与するのが一般的です。


この段階で、

・契約内容の精査・リスクの確認・法的な条件の整理

などが行われます。


なぜこの違いが重要なのか|事業譲渡(fonds de commerce)の場合


パリで飲食店を開業する場合、「事業譲渡(fonds de commerce)」を伴うケースとそうでないケースでは進め方が異なります。


特に事業譲渡の場合は、

・売上や収益構造の分析

・従業員の引き継ぎ

・既存契約の確認

・営業許可やライセンスの扱い


など、より専門的な確認が必要になります。この点については別の記事で詳しく解説しています。


なぜこの違いが重要なのか?


「リスクをゼロにしてから判断したい」という考えは自然ですが、 フランスでは一定の判断をしながら進めることが前提です。


・初期は大枠で判断

・後から専門的に精査


このバランスが非常に重要になります。


まとめ


フランスでの飲食店開業は、日本とは異なるルールと商習慣の中で進みます。

だからこそ重要なのは、 現地のプロセスに合わせた進め方を理解すること、そして必要に応じて、初期段階から専門家を準備しておくことです。


正しい順序で進めることで、無駄なストレスやトラブルを大きく減らすことができます。


📩お問い合わせ・物件リクエスト


パリでの飲食店開業や商業物件の取得をご検討の方へ、より具体的で精度の高いご提案を行うために、専用のリクエストフォームをご用意しています。



⭐︎筆者について


Allofrancejp 代表 萩野アリサ

イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。


フランスビジネスコンサルティング会社Allo France Jp 代表

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