SIAL Paris 2026現地レポート|日本食品の可能性とフランスでの販路開拓
こんにちは。パリを拠点に、日本企業のフランス進出や海外ビジネスを支援しているAllofranceJPです。
2026年10月17日から21日まで開催された国際食品見本市「SIAL Paris 2026」。今回、私はJETROさんが主催するJapan Villageに出展した日本企業のブースに入り、日本語・フランス語・英語を使いながら、5日間、営業担当として活動しました。
会場には世界各国から食品業界の関係者が集まり、日本の食品に関心を持つバイヤーやインポーターだけでなく、日本食に興味を持つ来場者や、ほかの国のパビリオンから訪れる方々との交流もありました。出展企業の方々からは、新たな取引先候補との接点が生まれたという声も聞かれました。
今回の経験を通じて改めて感じたのは、海外進出は、商品を輸出したり、インポーターを見つけたりするだけでは終わらないということです。商品が現地市場に入り、その先の販売先に採用され、継続的に売れていく。そのためには、現地の流通構造を理解し、商品の特徴や生産者の目標に合った販売先を見極め、営業活動を続けていく必要があります。
今回は、SIAL Paris 2026の現場で見た日本食品の可能性と、フランス市場で販路を広げるために必要なことをご紹介します。

SIAL Paris 2026とは?世界の食品業界が集まる国際見本市
SIAL Parisは、フランス・パリで開催される国際的な食品見本市です(2年に1回)。食品メーカー、輸出入業者、卸売業者、小売業者、レストランやホテルの関係者など、世界各国の食品ビジネスに携わる人々が集まります。
日本企業にとっては、自社の商品を海外のバイヤーに紹介し、新たな取引先や販売チャネルを開拓する機会です。今回のSIAL Paris 2026では、JETROが主催するJapan Villageに日本企業が出展していました。
海外市場への進出や販路拡大を考えている企業にとって、このような国際見本市は、現地の市場を知り、海外の取引先候補と直接接点を持つための重要な機会となります。JETROの出展案内については、公式サイトをご覧ください。今後の出展を検討される企業にとっても、参考になる情報が掲載されています。ただし、展示会に出展すること自体がゴールではありません。会場で生まれた出会いを、その後の商談や販売につなげていくことが重要です。

Japan Villageで出会った、多彩な日本食品
今回、Japan Villageで目にした商品は、非常に幅広いものでした。
醤油をはじめ、柚子、わさび、柚子胡椒などの調味料。米を原料とする麺類、お米、おせんべい、芋を使った食品、鰹節、豆腐や大豆製品、うなぎ、ホタテ、カキフライなど、さまざまな商品が紹介されていました。
飲料ではお茶、特に抹茶関連の商品が目立ちました。ほかにも、日本酒などのお酒、ラーメンのたれ、麹、甘酒、どら焼き、あんこを使った商品などが並んでいました。
日本食と聞くと、寿司やラーメン、抹茶などを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実際には、日常の食卓で使う調味料から、業務用食材、加工食品、伝統的な和菓子まで、多くのカテゴリーに可能性があります。

健康志向や環境への配慮も、商品の魅力に
今回、特に興味深かったのは、商品の味や品質だけでなく、健康や環境への配慮を打ち出す商品も見られたことです。
例えば、グルテンフリーやノンフライの商品、包装材に配慮した商品などです。海外市場を意識し、パッケージや商品の見せ方を工夫している企業もありました。また、私が営業支援に入った企業では、ホタテを食品として販売するだけでなく、これまで廃棄されていた貝殻を活用し、除菌スプレーやマニキュアなどの商品も開発していました。
一つの素材を無駄にせず、新たな価値を生み出す。食品という枠を超えて、環境への配慮や企業のものづくりに対する姿勢まで紹介できることは、海外の方々に商品を知ってもらううえでも興味深いポイントでした。
パッケージについても、現地市場を意識してデザインや表示を工夫している企業がある一方、日本らしさを前面に出して商品の魅力を伝えている企業もありました。どのような見せ方が適しているかは、商品や販売先、ターゲットによって異なります。海外市場では、商品の特徴だけでなく、誰に、どのような価値を伝えたいのかを考えることも重要です。

バイヤーだけではない、Japan Villageを訪れた人々
Japan Villageには、海外のバイヤーやインポーターなど、具体的なビジネスを目的とした来場者が訪れていました。
一方で、すべての来場者が商談を目的としていたわけではありません。
日本食が好きで、どのような商品があるのかを見に来た方。ほかの国のパビリオンで働いていて、日本の食品に興味を持って訪れた方。試食を楽しみながら、商品の特徴や食べ方について質問する方もいました。試食は、商品を知ってもらうための大切なきっかけです。実際に食べてもらうことで会話が生まれ、そこから商品の魅力や日本の食文化について話が広がっていきます。
私自身、出展企業が希望する販売先や取引候補との接点を優先しながらも、ブースを訪れた方々には積極的に声をかけ、コミュニケーションを取ることを大切にしていました。その場ですぐに取引につながらなくても、日本の商品を知ってもらうこと、日本企業に好印象を持ってもらうことには意味があります。直接の取引相手ではなくても、別の企業や関係者を紹介してくれるかもしれません。今回の会話が、将来のビジネスにつながる可能性もあります。
海外の展示会は、単に商品を売り込む場所ではありません。国籍や文化の異なる人々が交流し、新たな関係を築く場でもあります。相手に関心を持ち、こちらから話しかけ、歓迎する姿勢を示す。こうしたコミュニケーションも、日本の食や日本企業の魅力を伝えるうえで大切だと感じました。
出展企業が感じた手応えと、これからの商談
今回、出展企業の方々からお話を伺うと、海外のバイヤーやインポーターとの新たな接点について、手応えを感じているという声が聞かれました。なかには、探していた取引先候補と接点を持てたり、来場者側から声をかけてもらえたりした企業もありました。
もちろん、興味を持ってもらうことと、実際に契約が成立することは別です。価格や取引条件などを確認しながら、これから具体的な商談へ進んでいく段階もあります。それでも、海外の取引先を探している企業にとって、新たな相手から関心を持ってもらえることは、次の一歩につながる重要な機会です。
今回の展示会を通じて私が改めて考えたのは、インポーターが見つかった後に何をするか、ということでした。インポーターとの取引が始まることは、海外展開における大きな前進です。しかし、そこで海外進出が完了するわけではありません。インポーターが商品を仕入れた後、その商品がどのような販売先に紹介され、どこで採用され、どのように継続して売れていくのか。さらに販売量を伸ばすには、どのような営業活動が必要なのか。そこまで考えることが、長期的な海外展開には欠かせません。

インポーターが見つかったら終わりではない。大切なのは、その先の販路開拓
食品の海外輸出では、日本の生産者と現地のインポーターがつながることが、最初の大きな目標になる場合があります。しかし、インポーターとの取引が成立した後にも、重要なステップがあります。例えば、フランス国内には、日本食専門店、アジア系スーパー、ローカルスーパー、レストラン、ホテル、ケータリング会社など、さまざまな販売先があります。
同じ食品であっても、どの販売先に適しているかは商品によって異なります。日本食専門店でこそ魅力が伝わる商品もあれば、フランス人の日常の食卓に取り入れてもらうことで可能性が広がる商品もあります。レストランやホテルなどの業務用需要に適した商品もあるでしょう。
また、生産者がどのような事業を目指しているかによっても、選ぶべき販売先は変わります。まずは限られた店舗で商品を試してもらいたいのか。業務用としてレストランへの採用を目指したいのか。スーパーなどの小売チャネルを通じて、より多くの消費者に届けたいのか。目標とする売上や販売規模、商品の特徴、価格帯などを踏まえながら、適切な販売先を選び、具体的なアプローチにつなげる必要があります。
インポーターに商品を買ってもらうことと、その商品がフランス市場で継続的に売れることは、別の課題なのです。インポーターとの取引を実現した後も、その先の販売チャネルを見据えて営業活動を続ける。現地の市場を理解し、商品の特徴や生産者の目標に合った販売先を考え、実際にアプローチしていく。海外進出を一時的な成果で終わらせず、継続的な売上につなげるためには、こうした視点が重要だと考えています。

SIAL Parisの前・会期中・終了後。展示会をビジネスにつなげるために
今回、私が担当した仕事は、SIAL Parisの会期中の営業活動だけではありませんでした。
< 展示会前:出会いたい相手を探し、接点をつくる >
展示会が始まる前から、欧州の販売先候補を調べ、営業先リストを作成し、バイヤーやインポーターへの連絡、招待状の送付、商談アポイントの調整などを進めました。展示会に出展しても、目当ての相手が偶然ブースを訪れてくれるとは限りません。事前にターゲットを考え、接点をつくっておくことで、会期中の商談機会を増やせる可能性があります。
< 展示会中:商品を紹介し、商談の機会を逃さない >
会期中は、事前に連絡した方々への来場の呼びかけや、アポイントを取った方々への対応を行いました。ブースを訪れてくださった方へのお礼や、新たに出会った方々との名刺交換なども含め、営業活動を続けました。また、商品の特徴を説明するだけでなく、相手がどのようなビジネスをしているのか、何に関心を持っているのかを理解しながらコミュニケーションを取ることも大切です。5日間、来場者への対応と商談のフォローを並行して行うのは忙しい仕事でしたが、できる限り多くの方に商品を知ってもらい、次のビジネスにつながる機会をつくることを意識しました。
< 展示会後:取引先との関係を育て、販売拡大につなげる >
展示会が終わった後も、営業活動は続きます。今回も、インポーターとの取引に向けた条件の確認や、価格が決まった後の販売先への情報提供など、次の段階に向けた準備があります。商品が現地で販売されるようになったら、その先のレストラン、ホテル、ケータリング会社、スーパーなどに商品を紹介し、採用や購入につながる機会を探っていくことも重要です。また、展示会で出会ったすべての相手と、すぐに商談が成立するわけではありません。条件が合わなかった相手とも、将来の可能性を考えながら関係を維持していくことが大切です。展示会は、出展した日だけで成果が決まるものではありません。事前の準備、会期中の活動、終了後の継続的な営業がつながってこそ、新しいビジネスの可能性が広がります。
パリでの暴動も。予期せぬ状況のなかで活動した5日間
今回のSIAL Parisは、営業活動だけに集中できる5日間だったわけではありません。開催期間中にはパリで暴動も発生し、街の状況を気にかけながら行動しなければならない場面もありました。さまざまな状況があるなかでも、ブースを訪れてくださる方々を迎え、商談の機会を逃さないように営業活動を続ける。海外でビジネスを行う際には、こうした予期せぬ状況への対応も必要になることを、改めて実感した5日間でした。

弊社ができること。フランスの流通を理解した、現地での販路開拓支援
Allo France JPでは、パリを拠点に、日本企業のフランス市場への進出や販路開拓を支援しています。
食品分野では、商品の特徴や生産者の目標に合わせて、インポーターだけでなく、その先にあるレストラン、ホテル、スーパー、ケータリング会社など、適切な販売先を選定し、営業活動につなげます。展示会前の営業準備から会期中の商談サポート、展示会後のフォローアップ、さらなる販路拡大まで、企業様の状況に応じてサポートいたします。
フランスへの進出を検討している企業様、インポーターとの取引後の販売拡大や、展示会後の営業活動にお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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⭐︎筆者について
Allo France JP 代表 萩野アリサ
イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。





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