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Maison&Objetは1月と9月、どちらに出展すべき?日本企業がパリで伝えるために考えたいこと

  • 11 分前
  • 読了時間: 7分

 パリで年に2回開催される、インテリア・デザイン・ライフスタイルの国際見本市Maison&Objet(メゾン・エ・オブジェ)。日本からも、家具、テーブルウェア、工芸、インテリア雑貨、素材、ライフスタイルプロダクトなど、さまざまな企業が出展しています。

私自身、フランスで日本企業のビジネスやブランドの展開に関わる中で、Maison&Objetについてご相談をいただく機会があります。


「いつかフランスで商品を紹介してみたい」

「ヨーロッパのバイヤーに知ってもらいたい」

「Maison&Objetに出展してみたい」


そんな企業の方にとって、パリで開催されるMaison&Objetは、とても魅力的な舞台だと思います。


では、実際に出展を考えるとき、1月と9月では何が違うのでしょうか。また、せっかくパリまで出展するのであれば、展示会場で商品を見てもらうだけでなく、そこからどのように新しい出会いやビジネスにつなげていけばいいのでしょうか。


今回は、Maison&Objetの1月展と9月展の違いから、9月のパリならではのデザインシーン、日本企業の出展、そして海外展示会での「見せ方」について、私自身がフランスで仕事をする中で感じていることを交えながら考えてみたいと思います。


Maison&Objet Paris
Maison&Objet Paris

▪️1月と9月、同じMaison&Objetでも少し意味が違う


 Maison&Objetは、1月と9月の年2回、パリで開催されています。

どちらの時期も、パリではデザインやインテリアに関わるさまざまな動きが生まれる季節です。


1月は、年明けからインテリアやデザインの新しいシーズンが始まるタイミング。Maison&Objetに加えて、パリでは1月のParis Fashion Week(パリ・コレクション)も開催され、ファッション、インテリア、デザインなど、さまざまな分野のクリエイティブが集まります。一方、9月も同じように、Maison&ObjetとParis Design Weekが重なる時期です。

2026年は、Maison&Objetが9月10日から14日、Paris Design Weekが9月10日から19日まで開催されます。


つまり、1月も9月も、単に「展示会が開かれる時期」というだけではありません。パリの街全体で、デザインやクリエイティブに触れる機会が増える時期でもあります。そのため、どちらの時期に出展するかを考えるときには、商品のカテゴリーや出会いたい相手、そしてパリでどんな活動をしたいのかによって選択肢が変わってきます。



▪️来場者数で見ると、1月展のほうが大きい


 一方で、実際の来場者数を見てみると、1月と9月には違いがあります。

2024年1月展は70,668人、2025年1月展は69,086人、2026年1月展は67,286人。

9月展は2024年が53,923人、2025年が51,500人でした。


数字だけを見ると、1月展のほうが来場者数は多い傾向にあります。特に海外のバイヤーやプロフェッショナルとの接点をできるだけ広げたい場合には、1月展は大きな機会になりそうです。


ただ、来場者数だけで1月と9月のどちらが良いと決める必要はありません。9月には、Paris Design Weekと重なることで、Maison&Objetの会場だけではなく、パリ市内のショールームやギャラリー、ショップなどを巡りながら、現在のヨーロッパのデザインの空気を感じられるという魅力があります。「どれだけの人に会えるか」と「パリで何を体験し、何を得たいか」。この二つを合わせて考えると、自社に合った出展時期が見えてくるのではないでしょうか。


▪️日本企業のMaison&Objet 出展を支えるJETRO


 そして、日本企業がMaison&Objetへの出展を考えるときに知っておきたいのが、JETRO(日本貿易振興機構)の取り組みです。JETROはMaison&Objetへの日本企業の出展を長年支援しており、2005年からこれまでに累計800社を超える企業・団体の出展をサポートしています。


2026年1月展では45社の日本企業がJETROの支援を受けて出展しました。家具、テーブルウェア、工芸、インテリア雑貨、ファッション雑貨など、ジャンルもさまざまです。ここで少し面白いのは、いわゆる「ジャパン・ブース」が、一つの大きな日本パビリオンとしてまとまっているわけではないことです。


JETROの案内では、出展企業はそれぞれの商品カテゴリーに応じて、主催者が指定するセクターに個別のブースを構えます。つまり、会場では「日本」という大きな括りだけではなく、一つ一つの企業やブランドとして、フランスやヨーロッパの来場者と向き合うことになります。


ここから先は、実際にMaison&Objetへ出展するときの「見せ方」について考えてみたいと思います。


▪️実際の「見せ方」や「アピールの仕方」について


 ここまでMaison&Objetについて書いてきましたが、ここからは少し実践的な話をしたいと思います。


海外の展示会に出展するとき、商品の魅力やブースのデザインはもちろん大切です。でも、それと同じくらい大切なのが、「どうやって最初の接点をつくるか」ということです。


日本企業のブースを見ていると、商品をきれいに並べて、来場者が興味を持って入ってきてくれるのを待つ、というスタイルになっていることがあります。もちろん、それで自然に人が集まる場合もあります。


でも、Maison&Objetのようにたくさんのブランドが並ぶ展示会では、「興味を持ってくれた人が来てくれるのを待つ」だけでは、せっかくの商品を見てもらう機会そのものが少なくなってしまいます。ここは、もう少し積極的に考えてみてもいいのではないでしょうか。

「何かお探しですか?」だけでは、なかなか会話は始まらない。

例えば、ブースの前を歩いている人に、

「何かお探しですか?」

「こちらの商品に興味がありますか?」

と声をかけても、笑顔で軽く返されて、そのまま通り過ぎられてしまう。


展示会では、これは珍しいことではありません。来場者も一日にたくさんのブースを見ています。同じような声を何度もかけられれば、どうしても「営業されている」と感じてしまいます。だからこそ、最初の一言はもっと自由でいいと思います。


「何を探していますか?」と相手に質問を投げるのではなく、まずこちらから興味を持ってもらえる情報を一つ渡して、会話のきっかけをつくる。そのほうが、自然に話が始まることがあります。もちろん、英語が完璧である必要はありません。Maison&Objetのような国際展示会では、流暢な英語を話すこと以上に、「まず声をかけてみる」ことのほうが大切な場面もあります。


「来てもらう」のではなく、「こちらから出会いに行く」

ここで私が伝えたいのは、積極的な営業をしなければいけない、ということではありません。大切なのは、ブースの中で待つだけにしないこと。


来場者が少しでも商品に目を向けたら、

・こちらから一歩出る。

・ブースの外側まで出て、歩いている人と目を合わせる。

・笑顔で挨拶する

・商品について一言伝える。

・英語で話しかけてみる。

・そして、興味を持ってくれたら、そこから詳しく説明する。


このくらいの積極性があってもいいと思います。特に、日本からわざわざパリまで出展に来ているのであれば、「待っているだけ」というのは、少しもったいない。展示会は、商品を見てもらう場所であると同時に、人と出会う場所でもあります。


だからこそ、「来てもらう」から「こちらから出会いに行く」。この意識を持つだけでも、ブースで生まれる会話は変わってくると思います。


Maison&Objet ブースの様子
Maison&Objet ブースの様子

▪️「日本らしさ」も、アピールの方法の一つ


 そして、もう一つ考えたいのが「日本らしさ」です。日本の伝統、職人技、素材、地域性などを前面に出すことで、強い興味を持ってもらえる商品もあります。


一方で、あえて日本らしさを強く打ち出さず、フランスやヨーロッパの空間に自然になじむ見せ方をするブランドもあります。どちらが正解ということではありません。


大切なのは、「日本らしく見せること」そのものではなく、「この商品にはこんな魅力がある」と最初に伝えられること。


そのためには、フランスの人にとって分かりやすい言葉や写真、空間のつくり方に変えていくことも必要です。これは商品の価値を変えることではありません。日本で大切にしてきた魅力を、フランスの市場に伝わる形に翻訳することなのだと思います。


Maison&Objetを、フランスでの次の一歩につなげるために


 Maison&Objetは、出展して終わりではありません。そこで出会ったバイヤーやショップ、デザイナーとのつながりを、その後の商談やフランスでの販路開拓につなげていくことが大切です。私が伴走することで、出展前の「どう見せるか」から、会期中の「どうアピールするか」、そして会期後の「誰と、どう関係を続けていくか」まで、一つの流れとして考えることができます。


フランス市場に合わせた商品の見せ方や伝え方を考えながら、展示会で得た反応を次の営業や販路開拓にも生かしていく。そうすることで、Maison&Objetを単発のイベントではなく、「海外への最初の一歩」に変えていくことができます。


一度の出展で終わらせず、そこからショップとの取引やデザイナーとのつながり、新しい販路へと広げていく。「パリに出展する」から、「パリから海外ビジネスを育てる」へ。

フランスでの展示会出展や、その先の販路開拓をお考えの企業の方は、ぜひ出展前の段階からご相談ください。



⭐︎筆者について


Allofrancejp 代表 萩野アリサ

イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。


フランスビジネスコンサルティング会社Allo France Jp 代表

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