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パリで飲食店を買収開業する前に知るべきこと|fonds de commerce(事業譲渡)の実務と注意点

  • 15 分前
  • 読了時間: 6分

はじめに|

私は、フランス進出支援を行うビジネスコンサルタントとして、商業物件が関与する案件を含むプロジェクト管理・進行支援を行っています。特に、パリでの飲食店開業、事業譲渡(fonds de commerce)、店舗取得、現地パートナーとの調整など、日本企業・個人事業主のフランス進出案件において、実務面からプロジェクト全体をマネジメントする立場で関わることが多くあります。


実際に日本からご相談いただく際、fonds de commerce(事業譲渡)案件については、ほぼ必ず最初に説明している重要ポイントがあります。なぜなら、フランスの飲食店取得は、日本の「居抜き物件取得」と似ているようで、実際には法律・契約・労務・商習慣の考え方が大きく異なるためです。


現地の仕組みを理解せずに進めると、

  • 想定外の固定費

  • 契約上の制限

  • 従業員引き継ぎ問題

  • 行政許可の不備

  • オーナーとの認識齟齬

など、開業後に大きなトラブルへ発展するケースもあります。


パリのレストラン開業 フランス会社設立 パリ飲食店
パリのレストラン開業

この記事では、私が実際の相談案件で日本企業・オーナー様へ説明している内容をベースに、パリで飲食店を事業譲渡(fonds de commerce)で取得する際に、特に注意すべきポイントを整理して解説します。


なお、本記事は特に以下のような方を対象にしています。

  • パリで飲食店開業を検討している方

  • フランスでレストラン・カフェを買収したい方

  • fonds de commerceの仕組みを知りたい方

  • フランス進出を進める日本企業

  • 現地契約や商習慣に不安がある方


パリで飲食店を開業する方法には、大きく分けて2つあります。

  • 空き物件を借りてゼロから開業する方法

  • 既存店舗を「事業譲渡(fonds de commerce)」で引き継ぐ方法


実際のパリでは、後者の「fonds de commerce」による開業が非常に多く見られます。一見すると、設備や営業実績がそのまま引き継げるため、スムーズに開業できそうに見えます。しかし実際には、通常の賃貸契約とは異なる確認事項が多く、十分な調査を行わずに進めると、開業後に大きなトラブルへ発展するケースも少なくありません。


この記事では、パリで飲食店を事業譲渡で取得する際に、特に注意すべきポイントを実務目線で整理します。


ランチタイムに人気なパリのテイクアウトの飲食店 フランスビジネスlコンサル
ランチタイムに人気なパリのテイクアウトの飲食店

fonds de commerce(事業譲渡)とは?


一般的に含まれるもの

  • 店舗設備

  • 厨房機器

  • 店舗内装

  • 営業権

  • 顧客基盤

  • 店舗名(場合による)

  • 賃貸借契約(bail commercial)


つまり、「居抜き物件」で、より事業そのものの引き継ぎに近い概念です。そのため、単純な物件取得とは異なり、財務・法務・労務など複数の視点から確認が必要になります。


1. 売上資料を鵜呑みにしない


事業譲渡の際、売主側から過去の売上資料や収益資料が提示されることがあります。

しかし、提示された数字だけで判断するのは危険です。

よくある注意点

  • 現金売上の比率が高い

  • 季節変動が大きい

  • Uber Eatsなど外部プラットフォーム依存

  • オーナー本人の労働力込みで成立している

  • 一時的なイベント需要で売上が上振れしている

特にパリでは、「観光シーズンだけ強い店」「前オーナーのコミュニティ依存の店」も珍しくありません。

実際の案件では、

  • 売上の継続性

  • 利益構造

  • 固定費バランス

  • 契約条件との整合性

などを、複数の観点から整理しながら確認していきます。

特にフランスでは、日本と会計・契約・商習慣の考え方が異なるため、数字だけでは実態が見えにくいケースも少なくありません。

また、案件によって見るべきポイントも変わるため、表面的な数字だけで判断してしまうと、開業後に想定外の問題が出てくることもあります。

そのため、fonds de commerce案件では、「物件を見る」というより、「事業全体を分析する」という視点が重要になります。


2. 従業員の引き継ぎは自動で発生する場合がある



フランスでは、事業譲渡時に従業員契約が自動承継されるケースがあります。

これは日本の感覚と大きく異なるポイントです。

注意すべき点

  • 解雇コストが高い

  • 長期勤続スタッフがいる

  • 未払い残業や有給の引き継ぎ

  • 労働トラブル履歴

  • 契約形態(CDI / CDD)

「スタッフ込みで引き継ぐ」と聞くとプラスに見える場合もありますが、実際には固定費リスクになることもあります。

特に小規模店舗では、人件費構造が利益を大きく左右します。


3. 賃貸契約(bail commercial)の内容確認は必須


飲食店の価値は、実は「立地」だけではありません。

その立地で営業を継続できる契約条件こそが重要です。

特に確認したい項目

  • 残存契約年数

  • 家賃改定条件

  • 用途制限

  • テラス利用可否

  • 排気ダクト関連

  • 営業時間制限

  • 管理組合ルール


パリでは、同じエリアでも契約条件によって事業性が大きく変わります。また、契約更新時に家賃が大幅増額されるケースもあります。「今の売上」だけではなく、「今後もその条件で営業できるのか」を確認する必要があります。


パリの和食店のイメージ フランスビジネスコンサルタント
パリの和食店のイメージ

4. 営業許可・ライセンスの引き継ぎに注意


飲食店営業では、酒類ライセンスや営業許可の扱いも重要です。特にフランスでは、ライセンスの種類や譲渡条件が細かく分かれています。営業権付きの物件だと、ライセンスが含まれているケースが殆どです。


確認ポイント

  • アルコール販売ライセンス

  • 深夜営業許可

  • テラス営業許可

  • 排気・衛生関連の適合

  • ERP(公共受入施設)基準


ただ、「前の店が営業していたから問題ない」とは限りませんので、実際には、名義変更や行政手続きが必要になるケースもあります。商業取引の際に、きちんと確認が必要です。


5. 事業譲渡は「物件探し」ではなく「事業分析」


fonds de commerceは、単なる居抜き取得ではありません。

実際には、

  • 不動産

  • 事業

  • 労務

  • 契約

  • 行政

が複合的に絡む取引です。

そのため、フランス現地の専門家と連携しながら進めることが非常に重要になります。

特に、

  • フランス語契約

  • 商習慣

  • 行政手続き

  • オーナー交渉

は、日本の感覚だけでは判断しにくい部分も多くあります。


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まとめ


パリで飲食店を事業譲渡で開業する場合、設備や営業基盤を引き継げるメリットがある一方で、確認不足によるリスクも大きくなります。

特に重要なのは、

  • 「今後も継続可能な事業か」

  • 「将来的なビジネス譲渡の出口」

という視点です。


数字、契約、労務、許認可を総合的に確認しながら進めることで、開業後のトラブルを大きく減らすことができます。


パリでの飲食店開業・事業譲渡サポートについて


弊社では、パリでの飲食店開業

・事業譲渡(fonds de commerce)有り、無し

・フランス進出に関する実務支援を行っています。


特に、

  • 飲食店買収案件の整理

  • fonds de commerce契約確認

  • 商業物件関連の進行管理

  • フランス側との調整

  • 現地専門家との連携

  • 開業までのプロジェクトマネジメント

など、日本企業・個人事業主向けに、実務ベースでサポートしています。


初回相談について

初回は、1時間250€〜のオンライン面談形式にて、

  • 案件状況の整理

  • リスクポイントの確認

  • 必要な専門家の整理

  • フランス側との進め方

などを事前のヒアリングシートのご記入いただき、面談で整理します。


その後、継続支援(具体的なロードマップ作成、フランス会社設立、物件取得などのサポート支援、プロジェクト管理)が必要な場合は、プロジェクト内容・規模・支援範囲に応じて、個別お見積もり形式でご提案しています。


特にフランス進出案件では、

  • 契約

  • 行政

  • 商習慣

  • 不動産

  • オペレーション

が複雑に絡むため、初期段階で全体像を整理しておくことが重要です。ご相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。


⭐︎筆者について


Allofrancejp 代表 萩野アリサ

イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。


フランスビジネスコンサルティング会社Allo France Jp 代表

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