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フランスで飲食店スタッフを採用・育成する際の注意点|日本式マネジメントとの違い

  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

はじめに|

私は、フランス進出支援を行うビジネスコンサルタントとして、商業物件が関与する案件を含むプロジェクト管理・運営支援を行っています。


特に、パリでの飲食店開業やサービス業運営に関するご相談では、

  • 店舗取得

  • 現地採用

  • オペレーション構築

  • 現場マネジメント

  • 日本式サービスの導入

など、開業後の「運営フェーズ」に関する課題をご相談いただくことも非常に多くあります。


その中でも、日本企業・日本人オーナーが特に苦労しやすいのが、「現地スタッフの採用・育成」です。実際、フランスでは、日本式マネジメントや日本型サービスをそのまま持ち込んでも、同じように機能するとは限りません。もちろん、日本品質を実現すること自体は可能です。ただし、そのためには、日本のやり方をそのまま再現するのではなく、フランスの文化・労働環境・人材市場に合わせて“翻訳”していく必要があります。


パリの鉄板焼き店イメージ
パリの鉄板焼き店イメージ

この記事では、実際のフランス進出案件や飲食店運営支援の中で、日本企業からよくご相談いただくポイントをもとに、フランスで飲食店スタッフを採用・育成する際に注意すべき点を整理して解説します。


1. 日本式サービスは、そのままでは伝わりにくい


日本の飲食店やサービス業では、

  • 察する接客

  • 先回り対応

  • 空気を読む

  • 自主的に動く

  • 細かい気配り

などが、比較的自然なものとして共有されていることがあります。


しかし、フランスでは、役割・責任範囲・契約意識の考え方が日本とは大きく異なります。そのため、日本人オーナー側が「当然伝わっている」と考えている内容でも、現地スタッフには共有されていないケースも少なくありません。


特にサービス品質に関しては、「なぜそれが必要なのか」をローカライズしながら伝えていく必要があります。つまり、日本式をそのまま持ち込むのではなく、現地環境に合わせて“翻訳”する感覚が重要になります。


フランスで飲食店 お茶屋 開業
日本式お茶の提供を海外で披露

2. 日本品質を求めるほど、人件費と管理コストは上がる


フランスで日本式サービスを再現したいと考える日本企業は少なくありません。


ただし、ここで重要なのは、「日本品質は、運営コストが高い」という点です。


特にフランスでは、

  • 人件費水準

  • 労働時間規制

  • 採用難易度

  • スタッフ定着率

など、日本とは前提条件が大きく異なります。


そのため、日本と同等レベルの接客品質・オペレーション精度を求める場合、

  • 教育コスト

  • 管理コスト

  • マネージャー人材

  • 現場チェック体制

など、運営側の負荷も大きくなります。


つまり、日本式サービスを海外で実現するには、「理想論」だけではなく、「その品質を維持するためのコスト設計」まで含めて考える必要があります。


フランス人材育成、サービス向上のためのフォーメーション
人材育成、サービス向上のためのフォーメーション

3. 日本と同じ期待値で運営設計すると、現場が苦しくなる


フランスでの店舗運営では、

  • 時間感覚

  • 接客スタイル

  • 清掃基準

  • オペレーション精度

  • クレーム対応

など、日本と感覚が異なる場面も少なくありません。


そのため、日本国内と同じ感覚・同じ期待値で現場運営を設計してしまうと、オーナー側・スタッフ側の双方に負荷が集中しやすくなります。特に日本人オーナーの場合、「もっと細かくできるはず」、「もっと丁寧にやるべき」という基準を無意識に前提化してしまうケースもあります。しかし海外運営では、「一定のズレは起きる」ことを前提に、オペレーションや管理体制を設計する視点が重要になります。


4. 現場スタッフより、“管理できる人材”が重要になる


フランスで飲食店を運営する場合、単純にスタッフ人数を増やすだけでは、安定運営につながらないケースもあります。


むしろ重要なのは、

  • 店長

  • マネージャー

  • 現場責任者

など、“現場品質を管理できる人材”です。


特に海外運営では、オーナーが常に現場へ入れるとは限りません。

そのため、

  • 誰が品質を維持するのか

  • 誰が現場を回すのか

  • 誰がスタッフ教育を継続するのか

という体制設計が非常に重要になります。


5. 日本人オーナーほど、現場を抱え込みやすい


実際のフランス進出案件では、日本人オーナーが現場を抱え込みすぎて疲弊してしまうケースも少なくありません。


例えば、

  • 自分で現場を修正する

  • 自分で接客品質を維持する

  • 自分でオペレーションを回す

  • 自分でスタッフ教育を行う

など、オーナー依存型の運営になってしまうことがあります。


短期的には成立しても、長期的には継続負荷が非常に高くなります。そのため、フランスでの飲食店運営では、「オーナーが頑張り続ける」のではなく、「現地環境に合わせて継続可能な運営設計を作る」という視点が重要になります。


フランスで日本食店開業した大将 フランス飲食店開業プロセス コンサル
フランスで日本食店開業した大将

まとめ


フランスで日本品質を再現すること自体は可能です。

ただし、それは「日本をそのまま持ち込む」ことではありません。

現地文化・労働環境・人材市場に合わせて、運営方法そのものをローカライズしていく必要があります。

特に飲食店・サービス業では、

  • 人件費

  • 教育コスト

  • 管理負荷

  • マネジメント体制

  • 継続運営

まで含めて設計することが重要です。そして重要なのは、「日本式を押し付けること」ではなく、「フランスの環境の中で、どのように日本品質を実現するか」という視点です。


フランス進出・飲食店運営サポートについて


弊社では、フランス進出支援・飲食店運営支援・現地オペレーション構築に関するサポートを行っています。


特に、

  • 現地スタッフ採用

  • 店舗運営体制整理

  • 日本式サービス導入

  • 現場マネジメント設計

  • フランス側との調整

  • プロジェクト管理

など、日本企業・日本人オーナー向けに、実務ベースでご相談いただいています。


初回は、1時間250€〜のオンライン面談形式にて、

  • 現状整理

  • 課題分析

  • 運営設計

  • 必要な体制整理

などをヒアリング・整理しています。


継続支援が必要な場合は、プロジェクト内容・規模・支援範囲に応じて、個別お見積もり形式でご提案しています。

ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。


⭐︎筆者について


Allofrancejp 代表 萩野アリサ

イギリス留学後、就職を機にパリへ移住。現在はパリを拠点に、日本企業のフランス進出サポートや展示会同行、駐在員の住居探し・生活セットアップなど、現地サポートサービスを提供しています。→会社概要は、こちらから。


フランスビジネスコンサルティング会社Allo France Jp 代表

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